1-4-2. 論文研究①:成人型アトピー性皮膚炎に対する草津温泉療法の臨床経過(100症例)

・『成人型アトピー性皮膚炎に対する草津温泉療法 100症例の治療経験』

【論文の要約】

本研究は、長期間のステロイド治療等で難治化・慢性化した成人型アトピー性皮膚炎患者の悩みに着目し、強酸性泉として知られる草津温泉水を活用した湯治(温泉療法)の臨床効果と客観的メカニズムを検証した臨床論文である。患者100例に対し、pH2.0の草津温泉水を用いた入浴療法(1日1〜2回、40〜42℃で10分間、平均75日間)を実施した結果、79例(79%)で皮膚炎症状の有意な改善が確認された。この成果は、皮膚の組織損傷や炎症度を示す血液検査指標(血清LDH値)の明確な低下によっても客観的に実証されている。さらに、症状改善群の70%で強い痒み(掻痒感)の軽減が認められ、悪化の主な原因とされる皮膚表面の黄色ブドウ球菌が減少・消失することも観察された。本研究により、草津温泉の酸性泉療法は、強烈な痒みや肌荒れに悩む成人型難治性アトピー患者に対し、皮膚常在菌叢の整菌作用や抗炎症効果をもたらす有効な相補・代替療法(ホームケア・温泉ケアの選択肢)となり得ることが科学的に示されている。

 

  著 者: 久保田 一雄、倉林 均、田村 耕成、田村 遵一

  掲載誌: 『日本温泉気候物理医学会雑誌』 Vol.62, No.2, pp.71-79 (1999)

  公開URL(J-STAGE):

成人型アトピー性皮膚炎に対する草津温泉療法

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